Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.951 caratteri · 51 schermate
「そんなことは、やらせねえ」
金太の目はどういう感情のためか白目だけに見えた。南洋の太陽に日灼けした真ッ黒の額に青縄のような静脈がまがりくねって浮きたち、白い歯をむいていた。彼の首を叩き斬っても、締め殺しても、これだけの首でしかないように見えた。金太は死人の首をつけて白目をグルッと返しながら、
「断じて、やらせねえ」
と、もう一度叫んだ。しばらくの間、人々はポカンとしていた。自分の感情を金太だけが適切に出しきってしまったからだ。間もなく彼らは、同じ職人がこしらえた木像のように堅くなった。一時に同じ魂を吹きこまれたように、ムク/\とふくれて動きだした。彼らは一斉に喚きだしてしまったのである。
「そんなことは、やらせねえぞ」
「やれたら、やってみろ」
ここで大和が折れなかったら、袋叩きにも簀巻きにもされたであろう。大和も案に相違の面持で、苦笑した。
「フン。そうか。見かけ以上に鼻の下が長すぎるな。女の襟足を見ただけでヨダレの五升は垂れ流す野郎どもだ。はばかりながら、大和はアキラメのいい男だ。そうまでヨダレが流したきゃア、オレはひッこんでやるだけよ。助平どもめ」