Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.522 caratteri · 46 schermate
そこで左近は志道軒から一万円をうけとって、証文を返してやる。それから久吉の頭をなでてやったりしながら、志道軒に向って、
「その方はオレの長男ではあるが、勘当をつけた身であるから、後をつぐことはできない。しかし貴様の長男は、当然の嫡流で、わが後をつぐものはこの者だ。よってその方の長男たる常友にこの一万円を与える。これがオレの全財産だ」
こう云って一万円を常友に与えるが、これにまた条件がある。
「常友が当家の嫡流であることはこのオレがその事実を承知しているが、表向きはよその戸籍の人間だから、その戸籍を訂正するまではこの一万円はお前にはやれぬ。それまではお前の弟の久吉に預けておく。お前が戸籍を訂正しないうちに万が一のことがあれば、弟の久吉が当家をつぐことになる。とにかくお前が当家の戸籍に返るまで、この一万円を久吉に預けて、その久吉の身柄は一万円ごとオレが当家に、このオレの室内に当分預っておくことにする。これで当家の相続問題と財産の分配はすんだが、本日は歴代の当主にとって一番大事な相続者がきまった日だから、オレにとってはこれほど目出たい日はない。特別に酒肴をだすから、今夕は存分に酩酊して、一同当家に一泊するがよかろう」