Classici giapponesi con furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Leggi 星女郎 (ほしじょろう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.344 caratteri · 104 schermate
中には動かずに凝と留まって、裾の消えそうな山伏が、草の上に漂々として吹かれもやらず浮くのさえある。
またふわりと来て、ぱっと胸に当って、はっとすると、他愛もなく、形なく力もなく、袖を透かして背後へ通る。
三造は誘われて、ふらふらとなって、ぎょっとしたが、つらつら見ると、むこうに立った雲の峰が、はらはらと解けて山中へ拡がりつつ、薄の海へ波を乱して、白く飜って、しかも次第に消えるのであった。
「ああ、そうか……」
山伏は大跨で、やがて麓へ着いた時分、と、足許の杉の梢にかかった一片の雲を透かして、里可懐く麓を望んだ……時であった。
今昇った坂一畝り下た処、後前草がくれの径の上に、波に乗ったような趣して、二人並んだ姿が見える――斉く雲のたたずまいか、あらず、その雲には、淡いが彩があって、髪が黒く、俤が白い。帯の色も、その立姿の、肩と裾を横に、胸高に、細りと劃って濃い。
道は二町ばかり、間は隔ったが、翳せばやがて掌へ、その黒髪が薫りそう。直ぐ眉の下に見えたから、何となく顔立ちの面長らしいのも想像された。
同時に、その傍のもう一人、瞳を返して、三造は眉を顰めた。