Classici giapponesi con furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Leggi 星女郎 (ほしじょろう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.344 caratteri · 104 schermate
」
「本箱の?」
「一体、向うへ向けたのが気になったんだが、それにしても本箱の中は可訝い、とよくよく聞き澄しても、間違いでないばかりか、今度は何です、なお困ったのは、その声が一人でない、二人――三人――三個の本箱、どれもこれも唸っている。
ウーウーウーという続けさまのは、厭な内にもまだしも穏かな方で、時々、ヒイッと悲鳴を上げる、キャッと叫ぶ、ダァーと云う。突刺された、斬られた、焼かれた、と、秒を切って劃のつくだけ、一々ドキリドキリと胸へ来ます。
私はむっくり起直った。
ああ、硫黄の臭もせず、蒼い火も吹出さず、大釜に湯玉の散るのも聞えはしないが、こんな山には、ともすると地獄谷というのがあって、阿鼻叫喚が風の繞るごとくに響くと聞く……さては……少い女が先刻――
(ここは地獄ですもの。)
と言ったのも、この悪名所を意味するのか。……キャッと叫ぶ、ヒイと泣く、それ、貫かれた、抉られた……ウ、ウ、ウーンと、引入れられそうに呻吟く。
とても堪らん。
気のせいで、浅茅生を、縁近に湧出る水の月の雫が点滴るか、と快く聞えたのが、どくどく脈を切って、そこらへ血が流れていそうになった。