Classici giapponesi con furigana
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はるさきのこぶつてん
春さきの古物店
小川 未明
Leggi 春さきの古物店 (はるさきのこぶつてん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3911 caratteri · 8 schermate
と、張り板がいいました。
「ほんとうに、あのとき、坊ちゃんがころんで頭を私の角で打ちさえしなければ、こんなことにはならなかったのです。」
「わたしも、やはりそうなんです。引っ越しのときに、私の小さな体では、無理なほど重い、大きなものを積み重ねられましたので、そのとき、体の具合をいけなくしてしまったのです。もうすこし、私の身を思ってくれたらと思いますが、今となってはしかたがありません。また、そのうちには、いいこともないとかぎりますまいから……。」と、乳母車はいいました。
「そうだ。おまえさんなどは、そうおいぼれたばあさんでもないから、春になったら、どこへか売れ口がないものでもない。」と、脊高な、口だけは達者であるが、そのわりに能のなさそうな張り板はいったのです。
「張り板さん、あなたはどうなんですか。私どもから見れば、あなたは、しごく、のんきなように見えまが、それでも苦労はありますかい。」と、机は、張り板に向かって、たずねました。
「おれには、なに、苦労なんかあるものか。おれみたいに、みんながのんきに暮らしていれば、べつに悲観することもないのだ。せま苦しい家の中にいるときはべつだが、いつも天気のいい日は外に出て、通る人間をながめたり、あたりの景色をながめているのさ。