Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はるのやま

春の山

久生 十蘭

Leggi 春の山 (はるのやま) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8782 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

斑のない羽丘には薄青いケムリがあがって、身動きするたびに、首から尾羽へ、秋の野末の稲妻のようにキラリと青い光が走る。鶏冠の色は洋紅に朱をまぜた複雑な赤で、羽毛の黒と斑の青に対照して、ゴヤが闘鶏図で造形した黒軍鶏のような深味のあるヴァリュウを見せている。

「吉あんちゃんが持ってきた立杭焼の壺みたいなやつだな。とんだ出来損いだが、見れば見るほど味が出てくる。原っぱで蹴合いするところは、どんなだろうね」

およそ相闘うというたぐいのことは、なんであっても生存競争とおなじことで、わざわざ見てやるほどのことはないというのが、周平の意見だったが、そんなことをいっているうちに、このままひき退るわけにはいかないようになった。

「闘鶏って野蛮なものなんだろうな。ちょっと見たいような気もするが、むやみに血を出したりするのでは、やりきれたもんじゃないから」

と気をひくと、吉青年はすぐ乗ってきて、

「急に色気をだしたね。そんなら、花試合を見たらどうです」

「花試合って、どんなことをするんだ」

「言ってみれば気力の戦争で、むごいことはしねえのです。持ち時間は軍鶏師が相対できめるが、だいたいは四十分……その間に、怖けて泣き声をあげるか、疲れてしゃがみこむか、羽交の下に首を入れるか、囲場の側に凭れて脚を投げだすか……四失のうちのどれかをやれば、