Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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チュンタオ

春桃

宮本 百合子

Leggi 春桃 (チュンタオ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.868 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

「じゃ、お前はその人に片附いたのかね?」

「そうじゃないんだよ。いっしょに暮しているだけのことだよ」

「じゃ、お前は今でもまだおれの女房というわけだね?」

「いいえ、わたしは誰の妻でもないんだよ」春桃のこころのうちには、うまく云い表せこそしないが、誰のものでもない春桃の感じがあるのであった。「李茂の夫権意識は激しく動いた。」

「そんなら、ひとがきっと生きている王八(女房をとられた男)と笑うだろう」

「王八」ちょっとふくれた春桃は、しかしやはりおだやかに云った。「金もあり勢力もある人しか、王八になる心配はないんだよ」「今、わたしの体は、わたしのものだよ。わたしのすることが、あなたに恥をかかせることは決してない筈だよ」

李茂は、「一夜の夫妻は百日の情」というけれども、その百日はもう十以上も過ぎた。春桃は一人で住んで仕事を見つけ、手伝いに向高を見つけた。「情愛から云えば、むろん、李茂に対しての方がずっと薄い」春桃が李茂を連れて来たのは、親たちのつき合い仲間への義理や同郷のよしみからであった。「あんたがわたしを女房だと云っても、わたしは云いません」そして、春桃は泣いた。