Classici giapponesi con furigana
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しゅんせつ
春雪
久生 十蘭
Leggi 春雪 (しゅんせつ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.672 caratteri · 23 schermate
こっちは一時間ぐらいですむんだろう。久し振りだから、今日は附合ってもらおう。そういえば、ずいぶん逢わなかった。そら柚子さんの……」
いいかけたのを、気がついてやめて、
「それはともかくとして……どうだい、逢わせたいひともあるんだが」
「それは、そのときのことにしよう」
チャイム・ベルが鳴って、みなが席につくと、新郎新婦がホールへ入ってきた。新郎は五尺六七寸もある、日本人にはめずらしく燕尾服が身につく、とんだマグレあたりだが、新婦のほうは、思いきり小柄なのに、曳裾を長々と曳き、神宮参道をヨチヨチ歩いている七五三の子供の花嫁姿のようで、ふざけているのだとしか思えない。
新郎と新婦がメイーン・テーブルにおさまると、すぐ祝宴がはじまった。新婦は杓子面のおツンさんで、欠点をさがしだそうとする満座の眼が、自分に集中しているのを意識しながら、乙にすまして、羞かもうともしない。活人画中の一人になぞらえるにしても、柚子なら、もっと立派にやり終わすだろう、美しさも優しさも段ちがいだと、池田の胸にムラムラと口惜しさがこみあげてきた。
この戦争で、死ななくともいい若い娘がどれだけ死んだか。