Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はる
春
豊島 与志雄
Leggi 春 (はる) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.464 caratteri · 21 schermate
「それは面白い。」と批評家は云いました。
「それでいいじゃないか。」
ところが、それが何だか小説家の気に入らないようでした。
「然し、彼は彼女に接吻した……それだけじゃあ、どうかな。」
「では、その後に、一寸何かつけ加えたらいいだろう。」
「それを僕は考えてるんだ。彼はひどく幽鬱になった……とか、彼ははっと晴々とした気持になった……とか、何かそんな風なことをね……。」
「うむ……然し幽鬱になったというのはどうも旧時代的だし、はっと晴々とした気持になった、というのはどうも余りに新時代的で、何だか不自然な作者の感想みたいに思われやしないかね。」
「だから僕は困っているんだ。彼女に接吻した、だけじゃあどうも納まりがつかない。」
「だが、その、実際の話はどうなんだ。実際のその男の話は。」
「それがね、むつかしいんだ。彼女に接吻した、それから変な気になって、郷里へ帰ってゆく。すると、お梅はもういない。母がうすうす事情を悟って、お梅には暇を出してしまったのだ。彼はその母の心にひどく感激して、すぐに東京へ舞い戻って、寄宿舎の仲間から何と云われようが平気で、熱心に勉強し出した、とそういう話なんだ。