Classici giapponesi con furigana
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ばんか
晩夏
堀 辰雄
Leggi 晩夏 (ばんか) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.249 caratteri · 27 schermate
――或日、森のなかでちょっとした事から彼が口論した一人の山林監視人がすぐそのあとで何者かに殺される。先ず嫌疑はフリイドリッヒにかかる。が、彼のアリバイが認められ、事件はそのまま迷宮に入ろうとする。次ぎの日曜の明け方、教会に往こうとして月あかりのなかに台所で祈祷書を捜していたフリイドリッヒは、戸口で寝巻姿の儘の叔父のシモンに呼びとめられる。二三の押し問答の末、フリイドリッヒは例の殺人犯人は実はその叔父であるのを知る。その儘、彼は教会へも往かずにしまう。……
そのとき漸っと起きてきた妻は、まだ眠そうに、黙ったまま私の横の籐椅子に腰を下ろした。私はそれを承知で、しかし本からは目を放さずに、その頁を読み了えてしまうまでじっとしていた。それから漸っと妻の方へほっとしたような顔を上げた。
「話してもいい?」妻は私の方を見た。
「きょうは御勉強、それとも何処かへお出掛けなさるの? なんだかはっきりしないお天気だけれど……」
「出掛けて、途中で雨にでも逢ったらつまらないから、此処でこうして本でも読んでいたいなあ……」
「それもいいわね。」
妻もいつかそんな気になっているらしかった。