Classici giapponesi con furigana
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ばんきく
晩菊
林 芙美子
Leggi 晩菊 (ばんきく) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.998 caratteri · 32 schermate
年齢によって、自分の美しさも少しずつは変化して来ていたし、その年々で自分の美しさの風格が違って来ていた。きんは年を取るにしたがって派手なものを身につける愚はしなかった。五十を過ぎた分別のある女が、薄い胸に首飾りをしてみたり、湯もじにでもいいような赤い格子縞のスカートをはいて、白サティンの大だぶだぶのブラウスを着て、つば広の帽子で額の皺を隠すような妙な小細工はきんはきらいだった。それかと云って、着物の襟裏から紅色をのぞかせるような女郎のようないやらしい好みもきらいであった。
きんは、洋服はこの時代になるまで一度も着た事はない。すっきりとした真白い縮緬の襟に、藍大島の絣の袷、帯は薄いクリーム色の白筋博多。水色の帯揚げは絶対に胸元にみせない事。たっぷりとした胸のふくらみをつくり、腰は細く、地腹は伊達巻で締めるだけ締めて、お尻にはうっすりと真綿をしのばせた腰蒲団をあてて西洋の女の粋な着つけを自分で考え出していた。髪の毛は、昔から茶色だったので、色の白い顔には、その髪の毛が五十を過ぎた女の髪とも思われなかった。大柄なので、裾みじかに着物を着るせいか、裾もとがきりっとして、さっぱりしていた。