Classici giapponesi con furigana
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きぼりウソをつくったとき
木彫ウソを作った時
高村 光太郎
Leggi 木彫ウソを作った時 (きぼりウソをつくったとき) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2464 caratteri · 5 schermate
そこの推移が実に甘美だ。頬から上は頭も眼も眼瞼も嘴も嘴の下の毛も皆漆黒で、その黒い中で眼の動いているのがまた美しく、更にその黒に境して大きく円い頬がきれいに頬紅をさして毛並美しく頸にかぶさっているのだから、このウソの首だけでも、いかにも山の小鳥らしい、黒じみない、おっとりとしていて、中々精悍な、また紅梅の花にも負けない美麗さと風格とのある鳥だと思った。頬紅からつづいて曙いろの、ほんとに日の丸の感じの紅色の胸がぐっと前に高く張り出し、腹へかけて一段ゆるく明灰色に波うっている。この胸の方の明るい大まかな凹凸と、鶯いろの背部の垂直に近い、削ったような潔い輪廓とがいい釣合を持っている。その背部の蓑毛を胸の方の房々の羽毛が逆に下から逆まきにかぶせているのは、ウソの身体の中で、一番颯爽としているところだ。胸の羽毛は斂めた翼の風切りの上へまでぱらぱらとかぶさる。背中の蓑毛と胸の羽毛の下からこの風切りが、もう一度あざやかな黒色で、黒頭巾との呼応をしている。閉じた翼の風切りのさきは左右あまり強く交叉せず、直ぐ下に背の長さ位の尾羽根がやはり黒一色ですっとさがり、その親骨がはっきり見える。