Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう

本州横断 癇癪徒歩旅行

押川 春浪

Leggi 本州横断 癇癪徒歩旅行 (ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう) di 押川 春浪 (おしかわしゅんろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.749 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

が降る、その上燃料が湿っているので火はなかなか付かぬ。エイ生意気な雨だと怒って見ても、雨は相手にならず。

漸く火の盛んに燃え付いた頃、剛力先生もまた漸く上って来たので、まず早速着服に及ぶ。何はともあれ腹が減って堪らぬから、一同は焚火を囲んで夕食に取掛かったが、これはしたり! 一行二日分の握飯は風呂敷に包んで若い方の剛力が背負って来たのだが、この男元来の無精者、雨が降っても蔽いもしなかったものと見え、グチャグチャに崩れた上に、雨に濡れてベトベトになっている。

「こんな物食えるものか」と、怒っても、他に食う物はないので、仕方なく一口やってみたが、これはまたしたり! なんだか臭いようで、その塩からいこと夥しい。握飯がこんなに塩からい理由はないと、よくよく調べてみると、ああ汚いかな、剛力先生数里の間汗だらけになって握飯を背負って来たので、流るる汗が風呂敷を通して尽く握飯に染み込んだ次第、つまり握飯の汗漬が出来た訳だ。

コリャ堪らん。英雄豪傑の汗なら好んでもしゃぶるが、こんな懦弱い奴の汗を舐めるのは御免である。万一その懦弱が伝染しては堪らぬと、吾輩はペッと吐出してしまったが、それでも背に腹は替えられずと、苦い顔をしながら食った連中もあった。