Classici giapponesi con furigana
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
Leggi 本所松坂町 (ほんじょまつざかちょう) di 尾崎 士郎 (おざきしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.622 caratteri · 55 schermate
唐沢もまた利右衛門と同意見であり、二人にとって何よりも好都合なことは領主吉良上野介が次の日に横須賀村へ到着するという消息の入ったことである。利右衛門は久しい以前から気さくな上野介としばしば言葉をまじえたことがある。人間的な恩愛のこまやかな上野介に嘆願書を提出することがそれほど難しい仕事でないことを彼は知っていた。こんどの上野介の帰国の目的は、ひと足おくれ江戸を発足することになっていた養子左兵衛義周(春千代)を華蔵寺へつれてきて、あたらしくできた木像を見せるためであった。
話は前にもどる。上野介は唐沢のさしだした、利右衛門署名の嘆願書を通読してから、ちらっと老名主の顔へ視線をうつした。
「その方のことは堤防修築のとき以来、よくおぼえているぞ」
利右衛門はぐっと胸が迫って声が出なかった。
「いろいろ苦労が多いのう」
「お言葉ありがたく存じます、殿様の御苦労とくらべたら、利右衛門ごときものの苦労なぞは」
「いや、そうでもあるまい――この藤作と申す小伜を、すぐさまつれてまいるがよいぞ」
「こちらでござりますか?」
「苦しゅうない、十五歳で村随一の力持ちといえば、さぞかし身体も大きいであろうな」