Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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むらいちばんそうけいせん

村一番早慶戦

佐々木 邦

Leggi 村一番早慶戦 (むらいちばんそうけいせん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.468 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

重役の娘を貰えば一番手っ取り早いけれど、東金君は未だ一向認められていないから、それは出来ない相談だ。恐らく株主の娘だろう」

「成程」

「案外早く運ぶだろうと見ている」

実際、原口君の予言通りだった。東金君はその夏結婚した。新婦は株主の娘だった。僕達は披露会に出席して、新家庭の幸福の為めに乾盃した。その折、東金君の両親姉妹が悉皆揃っていた。会が終ってから、僕は皆に挨拶した。鶴子さんには特別だった。

「鶴子さん」

「何あに?」

「久しぶりですね」

「はあ。悉皆お変りになってしまって、私、お見違いするくらいでした」

「情けないですな」

「いゝえ、学生服と違いますから」

「有難う。失礼します。又お父さんに叱られるといけません」

この光景を見ていた原口君は後から鶴子さんのことを訊いた。僕は心境ありのまゝを話した。

「それじゃ君は貰いたいんだろう?」

「しかし事情が事情だから諦める外はない」

「貰い給え。僕はあの令嬢と君の気合を見ていて、これは肝胆相照らしていると思った」

「僕も嫌われてはいない積りだけれど」

「そんな消極的なことじゃ仕方がない。早稲田は堅棒だ」

「他のことと違って、こればかりは縁だからね。