Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
むらいちょうあんないれのからかさ
村井長庵記名の傘
国枝 史郎
Leggi 村井長庵記名の傘 (むらいちょうあんないれのからかさ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7794 caratteri · 16 schermate
「それには深い子細がござる」道十郎は暗然としたが、
「実は朋友を救うため好んで浪人したのでござる」
「朋友をお救いなさるため? ははあ左様でございますか」
「お話し致そう、お聞き下され。……今から思えば五年の昔、拙者二十九の春のことでござるが殿に一羽の名鶯がござって、ご寵愛遊ばされ居られました所、拙者の朋友間瀬金三郎誤って籠から取り逃がしましてござる」
「やれやれそれはとんでもないこと」
「しかるに金三郎には妻子の他に老いたる父母がござりましてな、もしも浪人することとならば一家たちまち零落し、恩ある父母を養うこともならぬ。これが何より心掛かりと、拙者にむかって掻き口説きましたれば、はなはだ憐れにも気の毒にも思い、拙者金三郎の身代わりとなり、名鶯取り逃がしの罪を負い、殿より永の暇を賜わり、さてこそ浪人致したのでござるよ」
「お聞き致せばお気の毒。いや天晴の義侠心、何と申してよろしいやら。さような事情のご浪人なれば、ご親友はじめ重役衆まで何とか殿様にお取りなし致し、至急帰参出来ますよう取り計らうが人情でござるに、それを今日まで打ち捨て置くとは、義理知らずではござりませぬかな」