Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
とうじょうき
東上記
寺田 寅彦
Leggi 東上記 (とうじょうき) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8356 caratteri · 17 schermate
このあたりの景色北斎が道中画譜をそのままなり。興津を過ぐる頃は雨となりたれば富士も三保も見えず、真青なる海に白浪風に騒ぎ漁る船の影も見えず、磯辺の砂雨にぬれてうるわしく、先手の隧道もまた画中のものなり。
此処小駅ながら近来海水浴場開けて都府の人士の避暑に来るが多ければ次第に繁昌する由なり。岩淵の辺甘蔗畑多くあり。折から畑に入るゝ肥料なるべし異様のかおり鼻を突きて静岡にて求めし弁当開ける人の胸悪くせしも可笑しかりける。沼津を過ぐれども雨雲ふさがりて富士も見えず。
御殿場にて乗客更に増したる窮屈さ、こうなれば日の照らぬがせめてもの仕合せなり。小山。山北も近づけば道は次第上りとなりて渓流脚下に遠く音あり。一八の屋根に鶏鳴きて雨を帯びたる風山田に青く、車中には御殿場より乗りし爺が提げたる鈴虫なくなど、海抜幾百尺の静かさ淋しささま/″\に嬉しく、哀れを止むる馬士歌の箱根八里も山を貫き渓をかける汽車なれば関守の前に額地にすりつくる面倒もなければ煙草一服の間に山北につく。ひとしきり来る村雨に鮎の鮓売る男の袖しとゞなるもあわれ。このあたり複線路の工事中と見えたり。