Classici giapponesi con furigana
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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
Leggi 東京人の堕落時代 (とうきょうじんのだらくじだい) di 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.226 caratteri · 247 schermate
匙を投げかけた記者
往来で知らぬ少女に名刺を突つけて結婚を申込む男……又は見も知らぬ男に、
「あなたの理想の御婦人はどんなのでしょうか。参考のために是非お知らせ下さいませ」
と手紙を出す少女が居るという位だから……。
匙を投げかけた記者
東京はこんな風に、大人の享楽主義の天国であるように、少年少女の花の都である。
牛込の神楽坂、渋谷の道玄坂、神田の神保町付近、本郷の湯島天神あたりの夜は、今でもそんな気分の「淀み」を作っている。
そうして、そんな処を摺り鉢の縁とすると、底に当るのが銀座である。
その銀座が夜になると、来るわ来るわ、東京市に居る人で銀座散歩を知らぬ人は余程の野暮天と笑われる位である。
色セメントや色ペンキで近代様式の数寄を凝らした家並み……意匠の変化を極めた飾窓……往来に漲る光りの洪水……どよめき渡る電車、自動車の響の中に、ささやき合い、うなずき合いつつ行く、華やかな「希望」や、あでやかな「幸福」の姿は、十分間も立ち止まっていれば、ガッカリする位眼の前を横切って行く。
どれが不良やら善良やら、見当が付きそうにも思えぬ。
しかし、記者はガッカリしなかった。そんな処を毎日うろついて、或る事を探ろうと試みた。