Classici giapponesi con furigana
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
Leggi 林芙美子随筆集 (いなかがえり) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 58.157 caratteri · 118 schermate
よき散歩なり。フミキリの雨、夜の雨、青く光って濡れて走る郊外電車、きわめてこころよし。――十三日
これは三年前の秋の日記だけれども、何かが恋をでもしているような子供っぽい日記だ。いまは、何も彼も愕きのない生活で、とても、此様な日記はかけない。――昔は、肉親たちがちりぢりに遠く散っていて孤独であったせいか、燃えあがるような気持ちだったけれども、いまは私の家にみんな集って来ているので、時々辛いなと思う時がある。――昼間は客が多いので、仕事はたいてい夜中だけれど、夜中の仕事は私には少々辛くなって来た。翌る日はおばけのような顔で、ふためとは見られない。寝床へ這入るのが四時頃、七時には眼が覚めてしまう。家の近くに辻山病院と云うのがある。古くからの知りあいで、私はここでこの頃睡り薬をつくって貰っている。疲れると、その睡り薬をのんで、昼間でもベッドに横になる。ベッドと云っても、寄宿舎にあるような小さいベッドなので、寝心地が何となく悪く、すぐ眼が覚めるのもベッドのせいかも知れないと思っている。朝、六時か七時には、どんなに寒くても起きあがり、ひととおり新聞を読むのが愉しみ。