Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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りゅうえいひろくかつえぐら

柳営秘録かつえ蔵

国枝 史郎

Leggi 柳営秘録かつえ蔵 (りゅうえいひろくかつえぐら) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.933 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

1

天保元年正月五日、場所は浅草、日は午後、人の出盛る時刻であった。大道手品師の鬼小僧、傴僂で片眼で無類の醜男、一見すると五十歳ぐらい、その実年は二十歳なのであった。

「浅草名物鬼小僧の手品、さあさあ遠慮なく見て行ってくれ。口を開いて見るは大馬鹿者、ゲラゲラ笑うはなお間抜け、渋面つくるは厭な奴、ちんと穏しく見る人にはこっちから褒美を出してやる。……まず初めは小手調べ、結んでも結べない手拭いの術、おおお立会誰でもいい、一本手拭いを貸してくんな」

「おいよ」と一人の職人が、腰の手拭いをポンと投げた。

「いやこいつア有難え、こう気前よく貸して貰うと、芸を演るにも演り可いってものだ。どうだい親方そのついでに一両がとこ貸してくれないか。アッハハハこいつア嘘だ! さて」と言うと鬼小僧は、手拭いを二三度打ち振ったが、

「たった今借りたこの手拭い、種もなければ仕掛もねえ。さあこいつをこう結ぶ」

云いながらヤンワリ結んだが、

「おおお立会誰でもいい、片っ方の端を引っ張ってくんな」

「よし来た」と云って飛び出して来たのは、この界隈の地廻りらしい。

「それ引っ張るぜ、どうだどうだ」