Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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りゅうきでん

柳毅伝

田中 貢太郎

Leggi 柳毅伝 (りゅうきでん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4254 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

路が遠いので困っております、貴郎は呉にお帰りのようでございますが、どうか手紙を洞庭まで届けて戴けますまいか」

女はすすり泣きをした。

「僕も男だ、君のそういうことを聞くと、どうにでもしてあげたいが、僕は人間だから、洞庭湖の中へは行けないだろう」

「洞庭の南に大きな橘の木がございます、土地の者はそれを社橘と言います、その木のある所へ行って、帯を解いて、それで三度木を打ってくださるなら、何人か来ることになっております」

「それで好いなら、とどけてあげよう」

女は着物の間に入れていた手紙を出して毅に渡した。毅はそれを腰の嚢の中へ入れながら言った。

「貴女は何のために羊を牧しているのです」

「これは羊ではありません、雨工です」

「雨工とはどんな物ですか」

「雷の類です」

毅は驚いて羊のようなその獣に眼をやった。首の振り方から歩き方が羊と違った荒あらしさを持っていた。毅は笑った。

「では、これを洞庭へとどけてあげよう、そのかわり、帰ってきた時は、貴女は逃げないでしょうね」

「決して逃げはいたしません」

「では、別れましょう、さようなら」

毅は馬を東の方へ向けたが、ちょと行って振り返って見ると、もう女の影も獣の影も見えなかった。