Classici giapponesi con furigana
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かきいろのかみふうせん
柿色の紙風船
海野 十三
Leggi 柿色の紙風船 (かきいろのかみふうせん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.032 caratteri · 28 schermate
私は保釈出獄の使者だろうと直感した。
(オヤ)私は心の中で訝った。二人の客のうちの一人は、見知り越しの医務長だった。もう一人は、日焼けのした背の高いスポーツマンのような男だった。
「この男ですよ。入ったときは、実にひどい痔でしてナ、ところが私の例の治療法で、予期しないほど早く癒ってしまいました」
「はア、はア」
「どうか何なとお話下さい。あとでこの男の患部を御覧に入れましょう」
「いや、それには及びません。ただ、すこし話をして見たいです」
「それはどうぞ御自由に……」
その見馴れぬ紳士は、私の痔病について、いろいろと質問を発した。私はそれについて淀みなく返事をすることに勉めた。しかしあの病院のことだけは言わなかった。
紳士は大した質問もせずに、医務長と共に引上げていった。
そのあとで私はガッカリして、便器の上に蓋をして作ってある椅子の上に腰を下した。
(どうも変だナ)
紳士は一見医師としか見えぬ質問をしていったが、どうも医師くさいところに欠けているような気がした。疵を持つ脛には、それがピーンと響いたのだった。
(探偵かしら……)
にわかの不安に私の胸は戦きはじめた。