Classici giapponesi con furigana
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えいぞうのし
栄蔵の死
宮本 百合子
Leggi 栄蔵の死 (えいぞうのし) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.295 caratteri · 77 schermate
手を押えてしずまらせ様とした達は、拳で顎をぶたれて痛さに涙を一杯ためながら、あばれるにつれて身をかわしながら手を押えて居た。
ウウウウ
ハアハア
胸はひどく波打って居た。
覚えとれ、鬼め。
ほんにほんに憎い女子やどうぞしてくれる、わしは子供の時からお主にひどい目に会わされてる。
断片的に、上ずった声で叫んだ。
その恐しい様子に手の出し様のないお節は顔をそむけて自分の不注意から出来たこの事を悔む涙にむせんで居た。
長い間、あばれた栄蔵は疲れた様に次第にしずまった。
少しの砂糖水をのんだ後は、近頃に珍らしい大きないびきをかいて眠りに入った。
お節は涙の中にそのいびきをきいてかすかな微笑をもらした。
あばれた御かげで疲れやしたんやろ、
明日はけっとようなりやすやろなあ。
お節は涙を拭いて音をたてずにあちこちと物を片づけ土鍋に米をしかけてゆるりと足をのばした。
「ほんにまあ、珍らしい事やなあ。
今日が楽しみや。
達も、顎の痛さを忘れるほど軽い気持になった。
自分は次の間に、お節は父親のそばに分れて部屋を暗くすると二人ともが安心と疲れが一時に出て五分とたたない中に快さそうな寝息をたてて居た。