Classici giapponesi con furigana
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くわのきものがたり
桑の木物語
山本 周五郎
Leggi 桑の木物語 (くわのきものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.815 caratteri · 79 schermate
二
「おらあ仲間うちから頭が高えと云われたもんだが、このごろは悠坊のおかげですっかり腰の低いにんげんになっちゃったぜ」
「ねんがらねんじゅうあやまってるんですものね、お客のみなさんもびっくりしているわ、親方のあいそがばかによくなったって、――つまり悠坊にしつけられたってわけね」
「よして呉れ冗談じゃねえ、おめえにまでばかにされりゃあせわあねえ」
仙吉とおつねはよくこんなことを云って、くさったり笑ったりしたものであった。――こうして七歳になった年の秋、悠二郎はとつぜん生家の土井家へひきとられた。
二
あとで聞くところによると、家へひきとると云いだしたのも祖父だったらしい。それも急に云いだしたことで、忠左衛門夫婦にはいやもおうも云うひまがなかった。ことに忠左衛門はそれまでに二度か三度、ひそかに悠二郎のようすを見にいって、
――あれはもういけない、舟仙へ呉れてやるよりしかたがない。
こう云って妻に首を振ってみせた。とうてい侍の家へいれるわけにはいかない、おまえも諦めろと云ったそうである。
生家へつれて来られたときの、彼の恰好は、相当ひとめをひくものであった。つい昨日まで川で泳いだり、蜻蛉を追いまわしたり、泥まみれで喧嘩をしたりしていたのである。