Classici giapponesi con furigana
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おけはざまのかっせん
桶狭間合戦
菊池 寛
Leggi 桶狭間合戦 (おけはざまのかっせん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.784 caratteri · 26 schermate
義元死後も朝比奈兵衛大夫の外立派な家老も四五人は居るのであるが、氏真、少しも崇敬せずして、三浦右衛門義元と云う柔弱の士のみを用いて、踊酒宴に明け暮れした。自分が昔書いた小説に『三浦右衛門の死』と云うのがあるが、あんな少年ではなかったらしい。自分の気に入った者には、自らの妾を与え、裙紅さして人の娘の美しいのに歌を附けたりまるで武士の家に生れたことなぞは忘却の体である。かの三浦の如きは、桶狭間の勇士故の井伊直盛の所領を望んだり、更に甚しくは義元の愛妾だった菊鶴と云う女を秘かに妻にしたりしながら国政に当ると云うのだから、心ある士が次第に離れて今川家衰亡の源を作りつつあったわけである。
天文二十二年に義元が氏真を戒めた手紙がある。
「御辺の行跡何とも無分別候、行末何になるべき覚悟に哉……弓馬は男の業也器用も不器用も不入候可稽古事也、国を治む文武二道なくては更に叶べからず候、……其上君子重ずんば則威あらず義元事は不慮の為進退軽々しき心持候。さあるからに親類以下散々に智慮外の体見及候得共我一代は兎角の義に及ばず候と思、上下の分も無き程に候へ共覚悟前ならば苦しからず候、氏真まで此の如にては無国主と可成候、能々此分別之あるべし……」