Classici giapponesi con furigana
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うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
Leggi 梅津只円翁伝 (うめづしえんおうでん) di 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.582 caratteri · 130 schermate
利三郎氏も内心翁を一介の田舎能楽師と思っていたらしいが、無事に一調が済んでお次の間に退くと利三郎氏は余程驚いたものと見えて、直ぐさま翁の前に両手を支いて、
「実にどうも……」
と云って他は云わず低頭挨拶したという。翁の実力を直接に評価する参考材料としてはこの逸話がたった一つ残っているきりである。但、野中到氏の手簡に、
「右藤堂様より伯父(只圓翁)帰宅後、小生今晩は何の御所望なりしやと問いしに右様の次第を話して、あの謙遜家にも聊か得意の色見え申候」
とあるところを見ると、この逸話は翁の生涯中の秀逸ではないかと思われる。
◇
筆者は不幸にして装束を着けた翁の舞台姿を一度も見た事がない。
ただ一度翁の八十八賀能の前日の申合わせの夜であったと思う。門弟中の地謡で翁が「海人」の仕舞を舞ったのを見た。そのほか日々の稽古や他人の稽古を直して御座るのを横から見た姿を思い合わせると、翁の舞台姿がどうやら眼前に彷彿されるようである。
甚だ要領を得難い評かも知れないが、翁の型を見た最初に感ずる事は、その動きが太い一直線という感じである。同時に少々穿ち過ぎた感想ではあるが、翁の芸風は元来器用な、柔かい、細かいものであったのを尽く殺しつくして、喜多流の直線で一貫した修養の痕跡が、どこかにふっくりと見えるような含蓄の