Classici giapponesi con furigana
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ふくろうのめ
梟の眼
大倉 燁子
Leggi 梟の眼 (ふくろうのめ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.354 caratteri · 23 schermate
警察で躍起となって捕えようとしていても、私はこの通り、平然と、大東京の真中を大手を振って歩き、ダンスをやって遊んでいるじゃないの。私の好きな蛇のように、捕えようとしても、するすると辷べり出て逃げっちまうんですからね。警察の網の目は私には少々大き過ぎるんですよ」
彼は気を呑まれて、ちょっと返事が出来なかった、女は急に今度は調子を変えて、
「私のような世界中を股にかけた、あばずれ者でも、生れ故郷の恋しさには変りがないんですのよ。だから、こっそりと観光団に交って来ましたのよ。今度の帰朝は商売ばかりが目的ではなく、よそながら母や妹達を見ようと思ってやって来たんです。――だって、公然と会うことが出来ないんですもの、可哀想じゃない? 父は非常に厳格な人ですから、私の姿を見たら容赦なく捕えて警察へ突出すでしょうよ。親の手を振りきって逃げる勇気はないから、最初から会うことは断念めて、遠くから、みんなの姿だけを眺めて喜んだり、悲しんだりしているんですわ」と云って、少し打ち萎れた。春樹はその話を聞いているうちに、この女が何だか可哀想になった、しかし、また考えると癪に触る、この俺の持物を掏った奴だ、と思うと憎くて堪らない、何人よりも勝れていると信じていただけに、彼は非常な屈辱をさえ感じているのであった。