Classici giapponesi con furigana
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なしのみ
梨の実
小山内 薫
Leggi 梨の実 (なしのみ) di 小山内 薫 (おさないかおる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2856 caratteri · 6 schermate
それから、その玉をほどくと、綱の一つの端を持って、それを勢よく空へ投げ上げました。
すると、投げ上げた網の上の方で鉤か何かに引っかかりでもしたように、もう下へ降りて来ないのです。それどころではありません。爺さんが綱の玉を段々にほごすと、綱はするするするするとだんだん空の方へ、手ぐられでもするように、上がって行くのです。とうとう綱の先の方は、雲の中へ隠れて、見えなくなってしまいました。
もうあといくらも綱が手許に残っていなくなると、爺さんはいきなりそれで子供の体を縛りつけました。
そして、こう言いました。
「坊主。行って来い。俺が行くと好いのだが、俺はちと重過ぎる。ちっとの間の辛抱だ。行って来い。行って梨の実を盗んで来い。」
すると、子供が泣きながら、こう言いました。
「お爺さん。御免よ。若し綱が切れて高い所から落っこちると、あたい死んじまうよ。よう。後生だから勘弁してお呉れよ。」
いくら子供がこう言っても、爺さんは聞きませんでした。そうして、唯早くしろ早くしろと子供をせッつくばかりでした。
子供は為方なしに、泣く泣く空から下がっている綱を猿のように登り始めました。