Classici giapponesi con furigana
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せいかけんざっき
棲霞軒雑記
上村 松園
Leggi 棲霞軒雑記 (せいかけんざっき) di 上村 松園 (うえむらしょうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7211 caratteri · 15 schermate
ご主人の主張はこうであった。
「今日のお客さんは無理なご馳走を嫌いなかたであるから当節むきに、台所にある有り合わせもので間に合わせばよい。お客さんはそのほうを却って悦ばれるのだ」
奥がたの主張はこうであった。
「それは違う。久しくお目にかからなかったお客さんであるから、うんとご馳走を並べなくてはいけない。あなたご馳走という字は馬に乗って走り廻る也と書きますよ。そのようにして駈けずり廻って作ってすすめてこそはじめてご馳走になるのですよ」
両方ともそのお心には友の私を思って下さる美しいものが溢れているのである。そこで私は仲にはいって時の氏神をつとめたのである。
「今のお二人のお言葉こそ何よりのご馳走様でございます。もう戴いたも同様ですからそれではお薄を一服いただきたい。それを戴いて帰らしてもらいます」
私はご主人の有り合わせのご馳走と、奥方の馬に乗ってかけ廻って作られた――心のご馳走を一服のお薄にこめて有難くいただいてその家を辞した。
芭蕉翁が金沢の城下を訪れたある年のこと、門人衆や金沢の俳人衆の歓迎の句会に山海の珍味を出されたのをみて、我流にはこのような馳走の法はない。