Classici giapponesi con furigana
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しいのき
椎の木
豊島 与志雄
Leggi 椎の木 (しいのき) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.870 caratteri · 52 schermate
長髪をかき乱した浅黒い横顔。じっと据ってる眼付、すりきれた外套に破れかけた古靴、そしてへんに足が早かった。
だいぶたってから、彼はふいに云った。
「あなたは、川村さんとどういう関係の人ですか。」
良一はありのままを答えた。遠縁にあたるので昔から知っていて、時々遊びにくるんだと。
「それじゃあ、牧野さんですか。」
名前を云われて、良一は少し驚きもし、安心もした。自分の名前を知ってるくらいなら、この青年は川村さんとよほど親しいのであろう。
川村さんの家のある本郷林町の高台から、上野広小路の方へ、良一は彼についていった。途中、すれちがう人の顔を彼は次第に注視するようになり、そしていつしか彼に話しかけていた。
「……その好き嫌いという感情は、決定的なもので自分でどうすることも出来ないものです。電車にのっても、一寸見ただけで、好きな奴と嫌いな奴とは、はっきり別れるじゃありませんか。これは、相手の性質とか身分とか、そんなものできまるんじゃない。顔付です。ただ顔付だけです。それも、綺麗だとか醜いとか、色が白いか黒いか、そんなことじゃあない。もっと根本的なものがあります。