Classici giapponesi con furigana
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ごくらく
極楽
菊池 寛
Leggi 極楽 (ごくらく) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6532 caratteri · 14 schermate
が、おかんには、今日と同じ日が何時までも続くかと思うと、立って居ても堪らないような退屈が、ヒシ/\と感ぜられるのであった。が、おかんが退屈しようがしまいが、お介意なしに同じような平穏な平和な光明の満ち溢れた日が、毎日々々続いた。
それから、また十年も経った頃であった。その頃になると、おかんと、宗兵衛とは、かたみ代りに、欠伸ばかり続けて居た。或日のこと、おかんはふと気が付いたように云った。
「地獄は何んな処かしらん。」
おかんに、そう訊かれた時、宗兵衛の顔にも、華やかな好奇心が咄嗟に動くのが見えた。
「そう? 何んな処だろう。恐ろしいかも知れん。が、茲ほど退屈はしないだろう。」そう云ったまま宗兵衛は、黙ってしまった。おかんも、それ以上は、話をしなかった。が、二人とも心の中では、地獄の有様を各自に、想像して居た。
又五年経ち十年経った。年が経つに連れて、おかんは極楽の凡てに飽いてしまった。五十年七十年の間、蓮の花片一つ落ちるほどの変化さえなかった。宗兵衛とも余り話をしなかった。凡ての話題は彼等に古くさくなってしまったのである。彼等がまだ見た事のない『地獄』