Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate

Aozora Bunko

とおみやはまた泣きだした、「あたしはなにもかもわからなくなるほど新さんが好きだったのに、そのために却って新さんを悪くしてしまった、そう思うとあたしどうしていいかわからない」

「泣くのはよせというんだ」

「云ってちょうだい、あたしどうしたらいいの、新さん」

おみやは泣きながら云った、「どうしたら罪が償えるか云ってちょうだい、あたしあなたの云うとおりにするわ」

「わけはないさ」と新八が云った、「別れるだけだ」

「別れるって」おみやはぎょっとしたように彼を見た。

新八はおちついたようすで、彼女に背を向けたまま、ゆさゆさと片膝をゆすった。おみやは「新さん」と、かすれた声で叫びながら、立っていって新八の膝にとりつき、濡れた眼をきらきらさせながら、つよく彼の顔を見あげた。

「新さん、あんた本気でそう云うの」

「もちろん本気だ」

「お久米さんのために」

「おまえの知ったことじゃないさ」

「お久米さんのためね」

「おまえの知ったことじゃないというんだ」と新八は冷やかに云った、「お久米やおまえのほかに、世の中に女がいないわけじゃないんだからな」

おみやは息を詰めた。あんたはそんなにも悪くなったの、とでも問いかけるように、息を詰めて彼の顔を見まもった。