Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate
丹三郎はまた「はい」と頷いた。
「本当にそのためか」と甲斐が云った、「そうではあるまい、密談を聞いたことのほかに、理由があるだろう」
「いいえ違います」と丹三郎は顔をあげた、「そのほかに理由などはございません、決して」
「宇乃のこともか」
丹三郎は躯を固くした。
「宇乃のことが動機になっているのではないのか、そうではないのか」
丹三郎はまた頭を垂れた。
甲斐は感情のこもった調子で、ばかなやつだ、と呟いた。おまえが宇乃に文をやったことも知っている。青根の宿の湯殿で、宇乃と話すのもこの耳で聞いた。と甲斐は云った。
「宇乃はおまえを信じ、頼っていた、親が非業に死んだあと、おまえの家に預けられていたし、良源院へ移ってからも、姉弟の世話はおまえが受持っていた、そして、愛宕下の出来事があり、船岡までいっしょに旅をした」
甲斐はそこで口をつぐみ、やがてまたつづけた。
「愛宕下のときは、もう一と足ちがえばかどわかされてしまう、危ういところを助けられたし、船岡までのながい道次も、知っているのは丹三郎だけだった、これだけ条件がそろっていたのだ、宇乃がおまえを信じ、おまえを頼みに思っていたことは、このおれの眼にさえわかっていた、だが宇乃はまだ子供だった、恋などという感情はまだわからなかった、おまえは待つべきだった、少なくとも二年待てば、