Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate
「直参大名の名目さ」と甲斐が云った、「幕府直参となれば、知行は幕府から出るのが当然だ、それを名目だけ与えて、知行は伊達本藩から分けている、六カ条の問題はそこから起こっているので、表て沙汰にすれば、両家の知行は改めて幕府から出さなければならないことになる、そうではないか」
周防は「うん」と頷き、考えてみて、たしかに、とまた頷いた。
そのとき銃声が聞えた。谷に反響するので、たしかな方角はわからないが、あまり遠くではないらしい。一発だけするどい射撃音が起こり、それが暢びりとこだまして、消えた。
「鉄砲だな」と周防が甲斐を見た。
甲斐はそれには答えないで「品川のことをうかがおう」と云った。周防は、さっき紙入から出して置いた封書をとりあげ、「殿からだ」と云って、甲斐に渡した。
甲斐は披いて見た。それは下屋敷の綱宗から、周防に宛てたもので、左のような意味のことが書いてあった。
先日はここもとへまいり候て対面つかまつり満足のことに候。然れば内ない兵部どの右京どのへ申し入れたき儀ござ候。これによって書状などにては片ことのように候えば、其方と相談いたし尤もに存じ候えば其方をもって申し入れべく存じ候、……