Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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そり

橇

黒島 伝治

Leggi 橇 (そり) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.663 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

何か口論をしていた。

「おい、あっちへやれ。」

大隊長はイワン・ペトロウイチに云った。「あの人がたまになっとる方だ。」

馬は、雪の上を追いまわされて疲れ、これ以上鞭をあてるのが、イワンには、自分の身を叩くように痛く感じられた。彼は兵卒をのせていればよかったと思った。兵卒は、戦闘が始ると悉く橇からおりて、雪の上を自分の脚で歩いているのだ。指揮者だけがいつまでも橇を棄てなかった。御用商人は、彼をだましたのだ。ロシア人を殺すために、彼等の橇を使っているのだ。橇がなかったらどうすることも出来やしないのに!

踏みかためられ、凍てついた道から外れると、馬の細長い脚は深く雪の中へ没した。そして脚を抜く時に蹴る雪が、イワンの顔に散りかかって来た。そういう走りにくいところへ落ちこめば落ちこむほど、馬の疲労は増大してきた。

橇が、兵士の群がっている方へ近づき、もうあと一町ばかりになった時、急に兵卒が立って、ばらばらに前進しだした。でも、なお、あと、五六人だけは、雪の上に坐ったまま動こうとはしなかった。将校がその五六人に向って何か云っていた。するとそのうちの、色の浅黒い男振りのいい捷っこそうな一人が立って、激した調子で云いかえした。