Classici giapponesi con furigana
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そり
橇
黒島 伝治
Leggi 橇 (そり) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.663 caratteri · 24 schermate
すると、色の浅黒い男は、丸太を倒すようにパタリと雪の上に倒れた。それと同時に、豆をはぜらすような音がイワンの耳にはいって来た。
再び、将校の銃先から、煙が出た。今度は弱々しそうな頬骨の尖っている、血痰を咯いている男が倒れた。
それまでおとなしく立っていた、物事に敏感な顔つきをしている兵卒が、突然、何か叫びながら、帽子をぬぎ棄てて前の方へ馳せだした。その男もたしか将校と云いあっていた一人だった。
イワンは、恐ろしく、肌が慄えるのを感じた。そして、馬の方へ向き直り、鞭をあてて早くその近くから逃げ去ってしまおうとした。馳せだした男が――その男は色が白かった――どうなるか、彼は、それを振りかえって見るに堪えなかった。彼はつづけて馬に鞭をあてた。
どうして、あんなに易々と人間を殺し得るのだろう! どうして、あの男が殺されなければならないのだろう! そんなにまでしてロシア人と戦争をしなければならないのか!
彼は、一方では、色白の男がどうなったか、それが気にかかっていた。――やられたか、どうなったか……。でも殺される場景を目撃するのはたまらなかった。
暫らく馳せて、イワンは、もうどっちにか片がついただろうと思いながら、振りかえった。