Classici giapponesi con furigana
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はしのした
橋の下
山本 周五郎
Leggi 橋の下 (はしのした) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.189 caratteri · 25 schermate
老人は俯向いていた顔をあげた。そして、湯呑を脇に置いて、掛けてある鍋の蓋を取った。鍋の中から湯気があがり、香ばしい匂いが、あたりにひろがった。
「なだめあぐねたようすで、友達もはたし合を承知しましたが、彼は腕に自信もあったし、その場になってからでも話しあえる、と思ったのでしょう、あとで考えるとそう推察できるのですが、結果は逆になりました」老人はそこで言葉を切り、低い声で、なにか不快なものでも振り捨てるように、口ばやに云った、「介添もない二人だけの決闘でしたが、私は初太刀で彼の肩を斬り、二の太刀で腰を存分に斬りました。
――もういい、これまでだ。
友達は倒れながらそう叫び、私は刀をひきました、私は私で、存分にやったと思ったのです、存分に、……友達は地面に倒れたまま、私にこう呼びかけました。
――人の来ないうちに、医者を呼んで来てくれ、早く。
私は刀にぬぐいをかけてそこを去ると、娘を呼びだして始終を話しました、そして、そのまま二人で、城下を出奔したのです」
老人は木の杓子で鍋の中をかきまぜ、それから鍋に蓋をした。若侍は待っていた。老人はながい溜息をつき、片手でうしろ頸を揉んだ。