Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate

Aozora Bunko

一〇 鋤焼

お祖母さんはじめ、その晩はみんな上機嫌だった。ただ次郎だけは、靴を見た瞬間から、また妙に気が重くなり出した。それは、中学校に入ったら靴を買ってもらいたいというのが、お芳との前からの約束だったからである。

一〇 鋤焼

入学試験の失敗は、気づかわれたほどには、次郎の心を傷つけなかった。彼は正木に帰ってから、ひととおり周囲に顔をやぶってしまうと、案外元気に学校にも通い、遊びにも出た。それをいつまでも気にやんでいたのは、むしろ恭一の方だったらしく、自分の学年試験が目前にせまっていたにもかかわらず、しばしば次郎にあてて長い手紙を書いたりした。

源次も竜一も不合格組だった。竜一は、誰に向かっても、

「全甲の次郎ちゃんでさえうからなかったんだから、僕がうからないのはあたりまえだい。」と言った。

源次は、二度目なので、さすがに少々てれてはいたが、二三日すると、どこで覚えて来たのか、「大器晩成だよ」などと言って、けろりとしていた。

合格者は、尋六から四名、高一から二名で、十五名の受験者中、都合六名が合格したので、他校に比べて、結果は非常にいい方だった。もっとも、六名が三名になっても、決してはずれっこない、と思われていた次郎が失敗したのには、学校側としても非常に残念だったらしく、しばらくは、どの先生も次郎の顔さえ見ると、