Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
「だって、朝倉先生にいろいろ教えて貰ったのは、五年生のおかげでしょう。もとは乳母やのおかげだけれど。」
彼は非常に真剣な顔をしてそんなことを言った。
亡くなった母のことが、話しているうちに何度も彼の頭に閃いた。彼は、しかし、それだけは決して口に出さなかった。最後に、彼は、両膝の間に握り拳をならべて、きまりわるそうに体をゆさぶりながら、
「僕、もうきっと誰とも喧嘩なんかしません、学校でだって、家でだって。……これまで、僕、自分のことっきり考えてなかったことが、よくわかったんです。だから……だから……」
彼は何度も言いよどんでは、お祖母さんと、お芳の顔を見くらべていたが、そのまま首をがくりと垂れて、涙をぽたぽたと拳の上に落した。
一瞬、しいんとなった。
それまで、お祖母さんは、小刀のことでいつ俊亮が次郎を叱るかと、それを待っているかのように、眼ばかりじろじろさしていたが、次郎の涙を見ると、ちょっと意外だという顔をした。それから、ちらとお浜を見たあと、少してれたような、そして、うわべだけでもなさそうな笑顔をして、言った。
「次郎もそこに気がついたのかえ。なあに、そこに気がつきさえすれば、お祖母さんだって叱ってばかりはいないよ。