Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
「お祖母さん、いいって言ったよ。」
と、何でもないように言ったので、その後、べつに気にもとめないでいたのだった。
二人は電燈をつけたまま床に入り、恭一は寝ながら枕時計を六時半にかけて、ねじを巻いた。それからしばらく顔を見あったあと、今度は次郎が手をのばして電燈のスイッチをひねった。しかし、いつも十時過ぎに寝るのを、今夜は九時にならないうちに寝たので、ちょっと寝つかれなかった。
「あすは落着いてやるんだよ。」
「うん。」
「むずかしい問題があったら、あとまわしにして、出来るのからさきにやる方がいいぜ。」
「うん。」
そんなようなことをしばらく話して、二人は眼をつぶった。が、やはり眠れなかった。二人はしばらくは代る代る眼をあけ、闇をすかして、そっと相手をのぞいたりしていたが、夜具のけはいで、おたがいに相手がまだ眠っていないのがわかると、ついまた言葉を交すのだった。
話が、いつの間にか、今度来る母のことになった。恭一も、もうその話をお祖母さんに聞いていたのである。
「どんな人だい。」
「肥った人さ。大きいえくぼがあるんたぜ」
「次郎ちゃんを可愛がるかい。」
「うむ。――だけど、よくはわからないや。