Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate

Aozora Bunko

亡くなった母さんとは、まるっきりちがった顔だもの。」

「次郎ちゃんは、もうその人に母さんって言ってるんかい。」

「ああ、きまりが悪かったけど、とうとう言っちゃったよ。言ったっていいんだろう。」

「そりゃあいいさ。どうせ、言わなきゃあならないんだから。」

「恭ちゃんも、言うんかい。」

「ああ、言うとも。……だけど変だなあ。まるっきり知らない人に、母さんなんて。僕、ほんとうは、そんな人来ない方がいいと思うよ。」

「そうかなあ――」

次郎は何か考えるらしかったが、

「でも、大巻のお祖父さん、僕、大好きだよ。」

「大巻のお祖父さんって誰だい。」

「母さんになる人の父さんさ。剣道を教えてくれるよ、うちに行くと。」

「ふうむ。……次郎ちゃん行ったことあるんかい。」

「ああ、もう何度も行ったよ。いつも土曜から行って泊るんさ。」

「そんなにいいお祖父さんかい。どんな顔の人? 正木のお祖父さんみたい?」

「ううん、天狗の面そっくりだい。正木のお祖父さんも背が高いんだけど、もっと高いよ。いつも肩をいからしてらあ。」

「ふうむ。……それでやさしいんかい。」

「やさしいかどうか知らないけれど、面白いよ。