Classici giapponesi con furigana
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しょうごのさつじん
正午の殺人
Leggi 正午の殺人 (しょうごのさつじん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.888 caratteri · 28 schermate
シャワーを早めにきりあげれば、行けたはずである。しかるに彼は悠々と十分間もシャワーをあび、寝室へひきあげてからもすぐに衣服をつけようとはせず、正午すぎて死ぬまで裸でいたのである。
「神社の前で待っておれと云ったのは神田先生本人の電話かね」
「神田先生御自身です。マチガイありません」
しかし、神田が久子に電話したのを聞いていた者はいなかった。もっとも、そのような秘密の電話を、人にきかれるようにかけるはずもない。
「無理心中でもするつもりが、にわかに気が変って自殺したんじゃないかな」
文作はそんなことを考えてみたが、神田という生活力の旺盛な作家が無理心中とはすでに変だ。
さらに決定的に奇怪な一事があった。事件の朝、タカ子という女中のところへ、母がキトクだからすぐ帰れという速達がきた。早朝七時に配達され、タカ子は九時ごろでかけた。タカ子の家は汽車で三時間ほどのところであるが、帰宅してみると、母は健在であるばかりか、誰もそのような速達をだした者がなかったのである。
その速達はアケミと木曾も見ていたが、ヘタな字であったという。タカ子は自分の部屋へ置きすてて行ったと云っているが、彼女の部屋からも、またどこからも発見されなかった。