Classici giapponesi con furigana
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しとはなししたひと
死と話した人
小川 未明
Leggi 死と話した人 (しとはなししたひと) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 2429 caratteri · 5 schermate
そして、どこともなくあちらの方から、鈍い波の音がきこえてきました。砂原の上を、その音は、ころげてきたのでした。
ド、ド――
ド、ド、ド。
「おばあさんは、なにをしているのだろう?」
彼は、近づいてみると、無数の小さなビーズを、ひざのあたり、黒い衣服の上にまいて、その一つ一つに針を通しながら、それらの赤・白・青・黄・紫のビーズを糸につないでいました。
「なるほど、きれいなビーズだが、これも外国から持ってきたのかもしれん。なんという、あの青い色は、ペルシアのつぼのように、あくどく、冴えた色をしていることだろう……。」
彼は、しばらく立って、ぴかぴか光る針と糸につながれてゆくビーズの色にひきつけられていました。
電線を吹く、風の音。
波の音。
ド、ド――
ド、ド、ド。
いつまでたっても、ほかに、だれも上がってこなかった。また、耳を傾けても、汽笛の音さえきこえなかったのでした。
「いまにも、汽車がきたら、ビーズがひざにあって、おばあさんは、どうして立ち上がるだろう?」
そう考えると、いぶかしくなりました。紙にもつつんでないから、みんな地にこぼれてしまうだろう……。