Classici giapponesi con furigana
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ダンスマカブル
死の舞踏
野村 胡堂
Leggi 死の舞踏 (ダンスマカブル) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.576 caratteri · 21 schermate
二
私と愛子は、その日の内に淡路島を出発し、不安と焦燥にさいなまれ乍ら、船から汽車へのあわただしい旅に上りました。私が幽香子を愛して居るように、愛子も亦心からこの内気で物優しい姉を慕って居たのです。
HELP、SOS、私の頭の中には、この七つのローマ字とオタマジャクシが、妖精のように入り乱れて踊り狂いました。
「幽香子、幽香子、無事であってくれ」
二人は異常な圧迫感に、食事も摂らず、眠りもせず、際限もなく生欠伸をしました。淡路から東京へ私は一年に三四度ずつは往復しますが、後にも前にもこんなに遠いと思った事がありません。
二
東京へ着いて、麻布三河台の佐良井邸へ自動車を乗り着けたのは、その翌日の真夜中でした。
真夜中にもかかわらず、佐良井邸の階上階下、悉くの窓が明るく灯って居たのを見て、先ず私共は胆を冷しました。(これは只事でない)と思う予感に、顔見合せたまま、暫らくは玄関へ立ち尽したものです。
私が靴を脱いで居る内に、召使に聞いて、奥から佐良井が飛んで来ました。
「遅かった、遅かった、南条君、幽香子はとうとう」
「エッ」
振り向くと、円々と肥った佐良井、あの中年者の投機家によくある、薄気味の悪いほど愛嬌のある佐良井が、日頃のニコニコ振りにも似合わず、口もきけないほど顔を硬ばらせて人前も憚らずに、ほうり落ちる涙を単衣