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Classici giapponesi con furigana

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しけいのまえ

死刑の前

幸徳 秋水

Leggi 死刑の前 (しけいのまえ) di 幸徳 秋水 (こうとくしゅうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.243 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

しかし、わたくしには、単に死の方法としては、病死その他の不自然と、はなはだえらぶところはない。そして、その十分な覚悟をなしうることと、肉体の苦痛をともなわぬことは、他の死にまさるともおとるところはないのではないか。

それならば、世人がそれをいまわしく、おそるべしとするのは、なに故であろぅか。いうまでもなく、死刑に処せられるのは、かならず極悪の人、重罪の人であることをしめすものだ、と信ずるが故であろう。死刑に処せられるほどの極悪・重罪の人となることは、家門のけがれ、末代の恥辱、親戚・朋友のつらよごしとして、忌みきらわれるのであろう。すなわち、その恥ずべく、忌むべく、恐るべきは、刑で死ぬということにあるのではなくて、死者その人の極悪の性質、重罪のおこないにあるのではないか。

フランス革命の梟雄マラーを一刀で刺殺して、「予は万人を救わんがために一人を殺せり」と、法廷で揚言した二十六歳の処女シャロット・コルデーは、処刑にのぞんで書をその父によせ、明白にこの意をさけんでいる。いわく「死刑台は恥辱にあらず。恥辱なるは罪悪のみ」と。

死刑が極悪・重罪の人を目的としたのは、もとよりである。