Classici giapponesi con furigana
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しけいのまえ
死刑の前
幸徳 秋水
Leggi 死刑の前 (しけいのまえ) di 幸徳 秋水 (こうとくしゅうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.243 caratteri · 23 schermate
その二、三をあげれば、(第一)天寿をまっとうして死ぬのでなく、すなわち、自然に老衰して死ぬのでなくして、病疾その他の原因から夭折し、当然うけるであろう、味わうであろう生を、うけえず、味わいえないのをおそれるのである。(第二)来世の迷信から、その妻子・眷属にわかれて、ひとり死出の山、三途の川をさすらい行く心ぼそさをおそれるのもある。(第三)現世の歓楽・功名・権勢、さては財産をうちすてねばならぬのこり惜しさの妄執にあるのもある。(第四)その計画し、もしくは着手した事業を完成せず、中道にして廃するのを遺憾とするのもある。(第五)子孫の計がいまだならず、美田をいまだ買いえないで、その行く末を憂慮する愛着に出るのもあろう。(第六)あるいは単に臨終の苦痛を想像して、戦慄するのもあるかも知れぬ。
いちいちにかぞえきたれば、その種類はかぎりもないが、要するに、死そのものを恐怖すべきではなくて、多くは、その個々が有している迷信・貪欲・痴愚・妄執・愛着の念をはらいがたい境遇・性質等に原因するのである。故に見よ。彼らの境遇や性質が、もしひとたび改変せられて、これらの事情から解脱するか、あるいはこれらの事情を圧倒するにいたるべき他の有力なる事情が出来するときには、死はなんでもなくなるのである。