Classici giapponesi con furigana
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じゅんし
殉死
山本 周五郎
Leggi 殉死 (じゅんし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.737 caratteri · 21 schermate
「誰かがしなければならぬから」庄兵衛は低く呟くように答えた、「おれか、主馬か、あの場合いずれかひとりは故殿のお供をしなければならなかった、主馬は才分の高いおとこだ、お家のために無くてはならぬ人物となろう、主馬を失いたくなかった、おれか主馬かとなれば主馬を生かして置くのがお家のためだった」
勝之丞は唖然として兄の顔をみまもった。庄兵衛は霧海を見やったまま続けた。「主馬は意地がつよい、おれが先を越せばかれは決してその真似はしない、それがよくわかっていた、だからおれは此処へ来た」呟くような兄の言葉は勝之丞の心を一語一語針のように刺した、唖然と見あげていた眼をいつか膝へおとし、勝之丞は拳でそっと涙を押しぬぐった。
「だが考えちがいをしてはならぬぞ、兄がこうして御墓所のお伽をしていられるのはこのうえもない果報なのだ、同時にそれが主馬を生かす役にもたった、兄にはこれほどの満足はない、主馬の申した言葉を口惜しいなどと思うのは身びいきのつまらぬひがみだ、おのれのまことを生きぬくために他人の批評を案ずる要はない、そんな無用なことを考えるいとまがあったら、御奉公に一倍の精をだすがよい、わかったか」