Classici giapponesi con furigana
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じゅんし
殉死
山本 周五郎
Leggi 殉死 (じゅんし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.737 caratteri · 21 schermate
意志を裏切るようにぶるぶると顫えていた。
着てきた笠と雨具をぬぎ、雪の上へ膝をついた弟の勝之丞は、その顫えている兄のからだを見て胸をつき刺されるように思った、「これではおからだに障ります、兄上、お伽をなさるお心はよくわかりますが、せめて雨や雪の日は屋敷へおかえり下さい」「いくたび云ってもおなじことだ、大殿御他界のおり兄は死んでいる、御禁制ゆえ追腹を切らぬだけで心もからだも故殿のお供をしているのだ、兄のことはもう考えるには及ばぬ、そのほうはかねて申付けたとおり当お上への御奉公、両親への孝を専一にはげむがよい、もうなにを申しても口はきかぬ、帰れ」「それでは兄上」と勝之丞はなじるように云った、「葛木との縁組はどうするのですか、兄上は破約をすると申送って此処へおいでになったそうですが、さくじつ葛木から父上まで挨拶がありました、小松どのはどこまでも約束の日を待つと云っておられるそうです、内さかずきも済んでいることゆえ、わたくしもそう云われるのは当然だと存じます、兄上、あなたは小松どのの一生を無になさるお考えですか」
庄兵衛は答えなかった。かれは老職をつとめる福尾庄左衛門の長子で二十六歳になる、おっとりとしたまるい性格で誰にも好かれていた。