Classici giapponesi con furigana
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さつじんきょうのはなし
殺人狂の話
浜尾 四郎
Leggi 殺人狂の話 (さつじんきょうのはなし) di 浜尾 四郎 (はまおしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.549 caratteri · 21 schermate
「私は、この男を食肉市場の助手だと思ったのです。それでそこにもっているのは牛肉かいときいたもんです。しかし被告は何も答えませんでした」
検事総長ツルアルリオールは、特に殺人の情況以外に間接の情況が甚だ被告にとって不利なる事を指摘した。実にソレイランは被害者とは十年も前から知合であったのに、人情も何もなくこんな惨虐な事をやったのである。
「かくの如き恐るべき犯人は未だかつて被告席にあらわれたる事なし」
検事総長はこう結んだ。
死刑の判決が言渡された。
その瞬間であった。突如法廷の一角から、絹をさくような声がきこえた。
「人非人め、私に殺させて下さい! 子供を辱しめるなんて! おおおそろしい」
この叫びは、犯人ソレイランの妻の口から発せられたものであった。
しかし、前述した通り、ソレイランは死一等を減ぜられて、今でも刑務所に居るはずである。
巴里警視総監ムシュウ・モーランはこれについて次のような皮肉を云っている。
「死刑を免かれた犯人ソレイランは今でも、服役している。彼は極めて平和な生活をやっている。死刑廃止論者はさぞ満足することだろう」と。
四、ジャン・ウエーバー事件