Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

江戸川 乱歩

Leggi 殺人迷路 (さつじんめいろ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8041 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

署長は少々得意でない訳には行かなかった。

「ホウ、すると犯人は、その裏口から出入りしたって訳だね。……無論戸締りはしてあったんでしょうね」

「家主はそう断言している。併し、こんな借家のドアの合鍵を造る位、造作はないですからね。それから正岡君、もっと確かなものがあるんだ。犯人の足跡らしいものがね」

正岡氏は、かくも矢つぎ早に提出される数々の手掛に、寧ろ変挺な驚きを感じないではいられなかった。これがそもそも予告犯人の所謂「完全なる犯罪」なんだろうか。却ってその正反対のものではないのか。

「足跡って、どこにです」

「その指紋のあるドアの内側にも外側でも。マア来てごらんなさい。それを見ると、犯人の行動が手にとるように分るんだから」

署長は先に立って、その裏口のドアへと、階段を降りて行った。正岡警部、雑誌記者津村、小説家星田の順でゾロゾロとそのあとに続く。

だが、この事件については最も熱心であるべき小説家星田が、なぜ一同の一番あとになって、しかも、まるで気乗りのしない調子で、ノロノロと歩いて行ったか。実に不思議と云わねばならなかった。

彼の顔は異様に蒼褪ていた。